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親の介護が始まったら最初にやること

公開 2026-11-07最終確認 2026-11-07まちの介護ナビ編集部

相談・認定・職場の制度の3つを同時に動かす

親の介護が始まったら、最初にやることは3つです。親が住む地域の地域包括支援センターに相談すること、市区町村に要介護認定を申請すること、そして自分の勤め先で介護休業や介護休暇などの制度を確かめることです。介護休業は対象家族1人につき通算93日まで3回に分けて取れ、雇用保険から原則として賃金の67%が給付されます。認定には平均で40日ほどかかるため、3つを同時に進めるのが基本です。

このページの要点

  • 親の介護が始まったら、まず親が住む地域の地域包括支援センターに相談し、市区町村に要介護認定を申請します。
  • 介護休業は、2週間以上常に介護が必要な家族1人につき、通算93日まで3回に分けて取得できます。
  • 介護休業の間は、雇用保険の介護休業給付金として、原則として休業開始時の賃金日額の67%が支給されます。
  • 2025年4月から、勤め先は介護に直面したと申し出た社員に、介護休業などの制度を個別に知らせ、利用の意向を確認することが義務になりました。

最初の相談先は「親が住む地域」の地域包括支援センター

地域包括支援センターは、市区町村が設置する高齢者の総合相談窓口で、全国に5,487か所あります(2025年4月末時点)。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどが、介護や健康、権利擁護の相談に応じます。新宿区は「相談は無料です」と案内しています。

相談先は、相談する人ではなく「親の住所」で決まります。離れて暮らしている場合も、親が住んでいる地域の担当センターに電話するところから始めます。相談の前に、次のことをメモしておくと話が早く進みます。

  • 困っていること(転倒、食事、物忘れ、入院中など)と、いつ頃からか
  • かかりつけの医療機関と主治医の名前
  • 同居している人と、家族がどのくらい介護にかかわれるか

厚生労働省の資料では、地域包括支援センターは都道府県労働局と、介護休業・介護休暇の相談について連携するとされています。仕事との両立の悩みも一緒に相談できます。

介護保険を使うには要介護認定の申請が必要

介護保険のサービスを使うには、市区町村の要介護認定を受ける必要があります。65歳以上の人は原因を問わず対象で、40〜64歳の人は末期がんや関節リウマチなど、老化が原因とされる病気(特定疾病)による場合に限られます。

申請は家族ができるほか、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所なども代わりに手続きできます(介護保険法第27条第1項)。法律上は申請から30日以内に結果を出すのが原則ですが、厚生労働省の集計では、令和6年度の全国平均は申請から二次判定まで39.9日でした。認定の効力は申請日にさかのぼるので、迷ったら先に申請しておくのが基本です。

認定が出たらケアマネジャーとサービスを決める

要介護1〜5と認定されたら、居宅介護支援事業所のケアマネジャーにケアプランを作ってもらいます。ケアプランの作成費は全額が介護保険から支払われ、利用者の負担はありません。要支援1・2の場合は、地域包括支援センターが中心になってプランを作ります。

ケアマネジャーが所属する事業所は居宅介護支援事業所の一覧から探せます。通い・訪問・泊まりを1つの事業所で組み合わせる小規模多機能型居宅介護など、自宅で暮らし続けるためのサービスもあります。施設を含めた全体像は介護施設の種類と違いで確認できます。

仕事を辞める前に確認したい介護休業と介護休暇

育児・介護休業法には、働きながら介護をするための制度があります。主な制度は次のとおりです。

制度内容
介護休業対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分割して休める
介護休暇1年度に5日(対象家族が2人以上なら10日)。時間単位でも取れる
所定外労働の制限残業の免除を請求できる
短時間勤務などの措置会社は短時間勤務、フレックスタイム、時差出勤、介護サービス費用の助成のいずれかを用意する義務がある(利用開始から3年以上の間に2回以上使えるもの)

「要介護状態」とは、けがや病気、障害により、2週間以上にわたり常に介護が必要な状態をいいます。対象家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。厚生労働省は、会社が介護保険の認定結果の通知書や医師の診断書の提出を、制度を使う条件にすることはできないとしています。

厚生労働省の特設サイトは、介護休業を「まとまった期間休みたい場合」、介護休暇を「スポットで休みたい場合」に使う制度として案内しています。介護休暇の対象になる「世話」には、通院などの付き添いや、介護サービスを受けるために必要な手続きの代行も含まれます。こうした用事には、介護休暇を時間単位で使うこともできます。

介護休業給付金:賃金の67%、上限は月366,222円

雇用保険に入っている人が介護休業を取ると、一定の要件を満たせば介護休業給付金が出ます。

  • 支給額:原則として、休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
  • 上限:1支給対象期間(原則30日)あたり366,222円(2026年8月1日から2027年7月31日までの額)
  • 回数:同じ家族について93日を限度に3回まで
  • 主な要件:休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(または賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上の月)が12か月以上あること
  • 申請期限:介護休業が終わった日の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日まで。手続きは原則として勤め先が行う

休業を始める時点で、休業後に退職する予定の人は対象になりません。

2025年4月から会社の義務が増えた

2025年4月1日に施行された改正育児・介護休業法で、介護に関する会社の義務が増えました。

  • 介護に直面したと申し出た社員に、介護休業などの制度、申出先、介護休業給付金を個別に知らせ、利用の意向を確認する(制度の利用を控えさせるような周知は認められない)
  • 40歳になる年度など早い段階で、介護休業などの制度について情報を提供する
  • 研修や相談窓口の設置など、制度を使いやすい職場環境を整える
  • 介護休暇について、勤続6か月未満の社員を労使協定で対象外にする仕組みを廃止
  • 家族を介護する社員がテレワークを選べるようにする(努力義務)

つまり、まず勤め先の人事や上司に「親の介護が始まった」と伝えることが、制度を使う入り口になります。会社の対応で困ったときは、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。

介護休業は3回まで分けて取れます。いつ、何日ずつ使うかは、認定の申請やサービスの手配、退院などの予定に合わせて、勤め先や地域包括支援センター、ケアマネジャーと相談しながら決めてください。

あわせて使えるページ

参考にした資料

内容は2026年11月7日時点で上記の資料をもとに確認しています。制度は変わることがあるため、手続きの前に公式の情報を確認してください。

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よくある質問

親の介護はまず何から始めればいいですか?

親が住んでいる地域の地域包括支援センターに相談し、介護保険を使うために市区町村へ要介護認定を申請するのが最初の一歩です。

介護休業を取るのに要介護認定は必要ですか?

必要ありません。介護休業の対象は「2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態」の家族で、会社は認定結果の通知書などの提出を利用の条件にできません。

介護休業給付金の上限はいくらですか?

2026年8月1日から2027年7月31日までは、1か月(支給対象期間)あたりの上限が366,222円です。

介護休暇は何日取れますか?

対象家族が1人なら1年度に5日、2人以上なら10日まで取得でき、時間単位でも取れます。

このページを引用・参照するとき

出典の表記例:「親の介護が始まったら最初にやること|相談先・認定申請・仕事の制度【2026年】」まちの介護ナビ(https://machi-kaigo-navi.com/column/oya-kaigo-hajimetara/)2026-07-09更新

出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム オープンデータ」(CC BY 4.0)を加工して作成。

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